西宮市北名次町で不動産売却・購入をお考えの方は株式会社Ｆｉｎｅｂｌｕｅ

 

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北名次町　【名前の由来】

ニテコ池貯水池（満池谷町）は、火垂るの墓で兄が幼い妹を見送ったのもこの池、作者の野坂昭如は、この付近で戦争時代を送りました。ニテコ池の西側に面する住宅街の中に森がありました。古くから雨の神様として信仰されて来た名次神社です。歴史は長く平安時代の延喜式にも記載されています。拝殿の傍らに江戸時代の物が残されていました。記された文字から西宮の漁民が房総半島あたりまで活躍の場を広げていた事を偲ばせます。

名次町・北名次町の名前は、昭和に入ってからこの名次神社にちなんで名付けられました。では、神社の名前にもなっている名次という地名は、何に由来するのでしょうか？元々、名次神社は、谷を一つ東に隔てた越水丘陵南端にあったといいます。その辺りは、ささやかながら農業が営まれていました。また、現在は阪急神戸線が走る辺りまで古代の入海が迫り、豊かな海の幸にも恵まれていました。それが古代の名次の姿、名次という名前もこの豊かな海の幸から生まれました。名次は、古くは「なすぎ」と読みました。「なすぎ」の「な」は、副食、特に魚を意味する言葉でした。

酒を飲む時の　酒の魚・・・さか・な（肴）という具合です。

この「な」が使われている地名は日本各地に存在します。

どこ、ここ（場所を表す）「こ」がついた「なご」那古（千葉県）奈古の浦（富山県）

「な・ご」に「え」「や」（入り江）のついた地名

名古屋（愛知県）名護屋（佐賀県）

「な」が魚であるなら、「すぎ」には、どんな意味があるのでしょうか？

世過・口過・見過の言葉に見られる様に「スギ」＝生活や生業を意味する説があります。

また、有名な古戦場、白村江（はくすきのえ）の様に村を「すき」と呼ぶ例がありました。これが訛ったとも考えられます。スキ＝（村）

海岸や川の砂地を「スカ」と言いましたが、これが転じたものでしょうか。

いずれにしても「なつぎ」という名は、魚で生計を立てる村、魚の多い浜という意味だったのです。

ところで風光明媚な名次は、古代の街道にも近かった為、雅な旅人にとって格好の歌枕でもありました。

万葉集には、次の歌があります。

吾妹子に

　　猪名野は見せつ

名次山

　　角の松原

　　　　いつか示さん

（高市黒人）

美しい名次山、向かいの入海を見渡せば天橋立よろしく外海の間に長く突き出した砂州、この砂州は牛の角の似たてて、角の松原と呼ばれていたのですが、その眺めは恋人に見せたくなる程、心惹かれるものだったのです。